個人ローンにおける顧客状態と特徴 申込から審査まで

個人ローン債権の分析をする上で気をつけている点をこれから何回かに分けてお話していきましょう。

個人ローンは顧客の状態によって分析すべきところが違います。
会社によっても金融機関、クレジット会社、消費者金融という業界によっても呼び名が違っていますが、把握すべき状態には変わりがないと思われます。
私がいつも使っている顧客の状態とポイントは次の通りです。

■申込顧客
顧客から何らかの申込チャネルから当社へ申込の意思を示したものを言います。
更に詳細に状態を分ければ次の様になります。

1)申込を開始した顧客

2)申込中の顧客

3)申込完了した顧客

1)→2)→3)の状態変化の際に(特にWeb申込の場合)ドロップ(離脱)する顧客が発生します。
ここを改善しないと、サイトへのアクセス数が伸びたのに申込(完了)顧客が増えないということになりかねません。

■断り顧客

審査に通らなかった顧客です。

審査自体は2種類あると考えています(決裁者の判断を入れると3つ)。

1)貸付基準・貸付ルール

この基準についてもさらに2つに分かれています。

a)ポリシー
法律もしくは会社として断ることになっているもの。
例:年齢や職種(専業主婦は不可)等。

b)ルール
会社の政策的に、または何らかの債権悪化の兆候が見えているので貸付抑制するといったものです。
例:A会社関連社員(会社が破綻前に従業員に借入させる等の事例があります)、1ヶ月以内照会件数5件以上

2)スコアリング
統計解析、AIで作成しているモデルであるスコアリングで貸付不可となるものです。

スコアリングモデルやスコアリグ運用などについては別途記述します。

■キャンセル顧客

これは断り顧客の中に入れている会社もありますが、Webでの申込が大半となった状況ではここは別途管理すべきではないかと思われます。

他社と同時に申し込んで条件が良い方、もしくは審査が短かった(回答が早かった)方へ顧客は契約段階へ進み、そうでない方はキャンセルしてしまいます。
また申込時点だけでなく契約時点で不備が出ている間にキャンセルになってしまう、また保証会社の期間が過ぎてしまうということで再審査になってしまうことがあります。